Puddle Inc.

Puddle Inc. Architecture & Interior design company in Tokyo. Founded in 2012 by Masaki Kato.

.素材と手仕事が行き交う入船の水路私たちはこれまで、人にとって心地よいと感じられる場所を、より多くの人にひらいていくことを軸に、空間の体験をつくってきた。一方で、住宅のような個人に深く紐づく領域においては、直接的に関わる機会は限られていた。...
19/06/2026

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素材と手仕事が行き交う入船の水路

私たちはこれまで、人にとって心地よいと感じられる場所を、より多くの人にひらいていくことを軸に、空間の体験をつくってきた。
一方で、住宅のような個人に深く紐づく領域においては、直接的に関わる機会は限られていた。

本計画は、東京都中央区入船に拠点を構えるクライアントからの依頼により始まった。
彼らは、日本全国の住宅メーカーではない小規模な工務店や作り手たちを、保険という仕組みを通して支える存在である。話を聞く中で、作り手の想いや背景が生活者に届いていない現状、そして拠点である入船から地域や外部とつながる場をつくりたいという意志を知り、私たちにも関われる可能性を見出した。

計画地である入船という地名は、かつて港湾や河川に近く、舟の出入りが頻繁に行われた「水路の入り口」に由来する。
人や物が行き交う結節点であったこの場所の記憶を手がかりに再解釈して空間に重ねることを起点とした。

現代では、住まい手と作り手の関係は希薄になり、住宅建材メーカーを含めた多くのものづくりが生活者から見えにくくなっている。

本計画では、素材(マテリアル)とアーティストの関係性を中心軸に据え、作り手と使い手が直接出会う場をつくることを試みた。カフェとギャラリーを重ね合わせることで、日常の延長の中で工藝や民藝、アートに触れる体験を生み出す。カフェを入口とし、その先に日本各地のものづくりとつながるギャラリーを配置することで、関係性が段階的に立ち上がる構成としている。

街に対しては、前面の大通りを行き交う速い交通の流れを受け止めながら、人の動きをゆるやかに滞留へと変換するファサードを計画した。屋形船の銅葺きから着想を得た銅の軒を深く出し、街路に向かってカフェカウンターを迫り出すことで、歩行者がふと足を止める余白をつくる。時間とともに変化する銅の表情は、光や街の気配を映し込み、通りに揺らぎを与えていく。

外壁には焼杉材を用い、船先のように街へと張り出すフォルムとした。内部に入ると、既存床のコンクリート洗い出し仕上げが広がり、水面を思わせる質感によって空間に穏やかな奥行きを与える。中央や奥に設けた立ち上がりは、展示の平台であると同時にベンチとしても機能し、鑑賞と滞在が自然に重なり合う。

ギャラリーでは、発光天井によるフラットな光環境によって構成され、作品や時間帯に応じて調光・調色されることで、空間の印象を柔らかく変化させる。壁面には漆喰の左官仕上げを施し、簡素でありながらも人の手仕事の痕跡と素材の呼吸を感じられる場とした。

真空管アンプによる柔らかな音、光の揺らぎ、素材の質感や手触りといった五感を通して、ものづくりを体験することを意図している。ギャラリーの持つ敷居の高さは、手前にカフェを配置することで和らぎ、人々の動機を滑らかに内部へと導く。

入船という、かつて人と物が行き交った場所の記憶を起点に、ここを日本各地のものづくりとつながるゲートウェイとして再編する。

この場所が、入船を拠点に地域や全国とつながり、これまで交わることの少なかった近隣の働く人々や住まい手との関係をひらく、コミュニティの入口となり素材、作り手、使い手が交差し、関係をつないでいく起点として広がっていくことを期待する。




Photo by DAISUKE SHIMA


.未完が生む可能性と、エネルギーの集積を可視化するオフィス日本のモメンタムを上げるというビジョンを掲げるユートラストは、事業の拡大とともに新たなオフィスへと移転する。社員数は倍増しながらも、会社はまだ“完成形”ではない。その状態をあえてポジ...
12/06/2026

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未完が生む可能性と、エネルギーの集積を可視化するオフィス

日本のモメンタムを上げるというビジョンを掲げるユートラストは、事業の拡大とともに新たなオフィスへと移転する。社員数は倍増しながらも、会社はまだ“完成形”ではない。その状態をあえてポジティブに捉え、未完だからこそ広がる創造性と、本質を見据えた成長意志を空間として表現した。

仕上げを過度に施さず、素材そのものの質感と余白を活かしたミニマルな環境は、これから積み重なる想像と挑戦の余地を象徴する。要所には和の素材を取り入れ、ミッションへの共感と日本らしさを静かに感じられる構成とした。

ユートラストのカルチャーを「エネルギーの集積」と捉え、自然と人が集まり、視線が交わり、雑談が生まれる場を随所に計画。イベントスペースはオープンかつ可変的に、執務エリアは熱量を共有できる密度あるレイアウトに。さらに、ファミレスブースやスタンディングテーブルなどの余白を散りばめることで、偶発的な対話とつながりを誘発する。

ミーティングスペースは閉じすぎず、リブガラスによる仕切りで“開かれた個室”とし、可視性とプライバシーのバランスでユートラストらしさを表現。エントランスは角を取り、来訪者をやわらかに迎え入れる動線とした。

このオフィスは、働く人も訪れる人も、ユートラストの未完の可能性と、集積するエネルギーを体感できる場所へ。ここから、さらなる日本のモメンタムを共に生み出していく。




Photo by DAISUKE SHIMA



.土と風と火と共にある場1898年創業の老舗旅館・中棚荘による新たな場として、小諸・御牧ヶ原の台地にオーベルジュを計画しました。ブドウ畑と浅間山の眺望を抱くこの地で、土地に根ざした体験を育んでいます。土地への敬意を込め、小さなフットプリント...
05/06/2026

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土と風と火と共にある場

1898年創業の老舗旅館・中棚荘による新たな場として、小諸・御牧ヶ原の台地にオーベルジュを計画しました。ブドウ畑と浅間山の眺望を抱くこの地で、土地に根ざした体験を育んでいます。

土地への敬意を込め、小さなフットプリントで計画しつつ、深い軒を広げたその構えは丘を訪れる人を迎え入れます。

レストランには地元・佐久石で築いた薪窯を据え、火と香りが空間を満たします。什器はジオヒルズワイナリーのワインで染め、大開口から見える浅間山とともに、この信州の大地・御牧ヶ原で育まれた食体験の背景となるようにしました。

2階の宿泊室には広いテラスを備え、静かなラワンの内装とともに風景を全身で受け止めます。浴室のトップライトからは星空や朝日が差し込み、時の移ろいとともに滞在そのものが深い記憶へと変わっていきます。

ワインが長い時間をかけて熟成するように、この建築もまた「土と風と火」と共に御牧ヶ原の風景に重なり、やがて静かに根付いていきます。




Photo by 松代建設


住所

日本橋小舟町14-7 SOIL NIHONBASHI 3F
Chuo-ku, Tokyo
103-0024

営業時間

月曜日 10:00 - 18:00
火曜日 10:00 - 18:00
水曜日 10:00 - 18:00
木曜日 10:00 - 18:00
金曜日 10:00 - 18:00

ウェブサイト

アラート

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