12/07/2026
【香木通信 vol.18】
今月は、新たな香道体験イベントの発足を目指しておこなっている、担当スタッフとの研修の日々についてお話ししたいと思います。
研修では、特に「とりどり」でご紹介する香木の鑑定をわたしがするときにスタッフに同席してもらい、実際にその香りを聞きながら、さまざまな情報やノウハウを伝えています。「とりどり」には伽羅が登場することが多いため、自然と伽羅についての深い話が中心になります。
一口に伽羅の話といっても、その内容は多岐にわたります。
緑油・黄油・紫油といった、香りだけでなく外見も含めた総合的な印象を説明する言葉についてであったり、香りを説明するための共通言語である「五味」(甘・苦・辛・酸・鹹)についてであったり。あるいはもっと抽象的に、「雅な香り」「ドライな香り」「静かな感じ」「王道の伽羅の香り」といった表現を使って、感覚のすり合わせをおこなっています。
何度か研修を重ねていくと、「この香木が伽羅か、そうでないか」という判断は、外見と香りのどちらからも少しずつ感覚が掴めるようになっていくものです。次に、ある程度の高温で炷いたり、長い時間炷いたりしたときに、共通して現れてくる伽羅ならではの「甘」についても、次第にわかるようになっていきます。
ただ、その先が一気に難しくなるのが、伽羅の奥深いところです。
具体的には、炷き始めの「香りの情報量が特に多いタイミング」において、どのような要素が、どれくらいの割合で含まれているのかを見極めるステップです。
「これは 辛 ≧ 鹹 > 苦 ≧ 甘 の感じの黄油の伽羅だね」とか、「酸 >> 苦 > 甘 の軽やかなタイプの緑油だね」、はたまた「甘 ≧ 苦 >> 酸 の雅なタイプの緑油だね」といった会話が研修中には飛び交っています。
もちろん、香りの感じ方には人それぞれ違いがあります。だからこそ、一人で静かに聞くよりも、三人でこうしてコメントを出し合いながら聞くことで、わたし自身にとっても「なるほど、そういう捉え方もあるのか」と新たな発見をすることが多くあり、とても新鮮な刺激になっています。
一筋縄ではいかない香木、特に伽羅の底知れない奥深さを、次代を担うメンバーみんなで夢中になって学んでいるという、香雅堂の最近の日常の一コマでした。
ー7月のスケジュールー
聞香会セット/1種/7月11日(土)販売開始
とりどり/5種/7月18日(土)販売開始
▼詳しくはアイテムページをご覧ください
https://kogado.stores.jp