13/08/2026
ReChair_Stories_ #076
【一度の手仕事が手渡すのは、18年の愛おしい日常と変わらぬ座り心地。】
大切なソファを何年、何十年と愛用し続けること。そこには単なる「家具の修理」を超えた、暮らしと職人の温かい物語が存在します。今から18年前、あるご依頼主様からお預かりしたフクラ社製のソファベッド。丁寧な仕立てと対話から始まったお付き合いは、長い年月を経た今も、美しい信頼の絆として続いています。
■想いをカタチにする細やかな職人の仕立て
ご相談いただいたのは、長年使い込まれたフクラ(HUKLA)社製の2人掛け肘付きソファベッドでした。ご依頼主様がこれから先も快適に過ごせるよう、クッション材のウレタンはオリジナル通りの斜めカットを施しつつ、座面にはやや硬めのウレタンを配置して長年の耐久性を高める加工を行いました。
さらに、日常でカバーをかけて使用される際にも美しく収まるよう、背もたれと座面の間に沈め込むための丸棒をご用意してお納めしました。一つひとつの工程において「どうすればご家庭で最も心地よくお使いいただけるか」を追求することが、私たち工房の仕立ての基準です。
■届いた瞬間の感激と、新品以上の魅力
お届け後、ご依頼主様から届いたのは「新品同様の座り心地と出来映えに加え、使い勝手の良さをそのまま残せる張り替えには、新品を買う以上の魅力があると実感しました」という温かいお言葉でした。
仕上げの際に余った生地の端切れをお渡ししていたところ、ご依頼主様はそれをご自身で肘掛けの保護カバーとして工夫してご活用くださり、大切なご家族である愛猫と一緒に寛ぐ特別な場所としてソファを迎え入れてくださいました。職人が想いを込めて仕上げた手仕事が、暮らしの中で大切に育まれていく瞬間の喜びは、私どもにとってもかけがえのない財産です。
■18年の歳月を超えて流れる温かな対話
張り替えから5年、9年、そして18年。歳月が流れても、ご依頼主様からは折に触れて近況やお便りを頂戴してまいりました。ご著書の出版のお知らせや、新年のご挨拶を通じて交わされる言葉の端々には、18年経った今も快適に使い続けられているソファへの愛着と、工房への変わらぬ信頼が込められています。
「あの時、工房を訪ねた際のご親切は今も忘れません」というお言葉は、私たちが日々一脚のお椅子と向き合う姿勢の正しさを、静かに、そして力強く証明してくれています。
■ まとめ:未来へ受け継がれる「張り替え文化」
家具を使い捨てにするのではなく、手入れをしながら時代を超めて愛し続けること。ご依頼主様と過ごした18年という歳月は、まさに私たちが目指す「日本の張り替え文化」そのものです。
私どもReChairは、これからもお客様一人ひとりの思い出と暮らしに寄り添い、10年、20年先も愛され続ける最高の座り心地をお届けしてまいります。