30/04/2026
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ものづくりの手の中で、すべての作品を「納得のまま」世に出せているわけではない。
そうでない作品が、いくつも胸の奥に残ることもある。
ダルマの作品も、昨年の東京での展示のために生まれた。
表情はあえて彫らなかった。
輪郭や顔つきの“説明”より、ただの塊が持つ気配を優先したかったから。
展示のたびに、見てくださる方がいて、購入の検討もしていただいた。
けれど結局、縁はそこで結ばれず、ダルマは手元に残った。
私は、そこに意味があるのだと思った。
そして、いつしか——この黒い塊に、表情を宿したい——という欲望が、ゆっくりと育っていった。
だから今回は、奄美に連れて行かない。
改めてダルマに向き合い、顔へ表情をつける決意を固めていた。
けれど——妻の多久美が言った。
「どうしても、奄美に連れて行きたい」
その強い意向に押されて、この黒い塊は展示の運びとなった。
そして多くの方にご検討やお問い合わせをいただいたダルマは、
大好きな奄美の地に、根を張ることになった。
SNSがある時代には、
“目に見えない人同士”のやり取りが、薄くなっていくのではないか——
そんな不安の声も耳にする。
けれど実際に、SNSを通して見つけてくださった方が、
遠方にもかかわらず、ダルマに会うことを楽しみにして来てくださった。
私はそこで改めて、出会いの巡り合わせが、
やさしく、そして確かなものになり得るのだと知った。
今後も、表現のひとつとして、この場を大切にしていきたい。
ダルマの入った木箱を抱きしめて帰られるお二人の笑顔は、ずっと忘れません。
そしてこの出来事は、私の創造性と意欲を、静かに燃やしてくれました。
ありがとうございました。
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美味しい一期一会
2026.03.18